カーテン越しに空が明るくなり始めたのを知る。
ああ、もう事を始めてから何時間経つのかな、と考え、
考えたところで意味は無いので止める。
「俺もまだまだ若いなぁ。なぁ、良守?」
「ふっ…」
名前を呼ばれた少年は声を出す力も無く、
布団の上で仰向けに横になったまま、
喉を震わせて、乱れた呼吸を繰り返した。
傷だらけの白い肌には到る所に赤い花が咲いており、
腹部や胸元には大量の精液がかかっている。
それは肌を伝って布団を汚している。
その精液を正守はゆったりとした手付きで延ばし、
肌に塗りつけていく。
荒く、上下する胸。
その赤く色付く頂に人差し指で塗りたくれば、
まだ繋がったままの結合部が、きゅう、と締めてくる。
「いい締め付けだ」
くくっ、と喉の奥で笑い、良守の両足を肩に担いで
ゆっくりと腰を動かす。
少し動かしただけにも関わらず、結合部からはぐちゅりと卑猥な音がし、
肉壁と肉棒の隙間から精液が溢れ出て、布団にまた染みを作った。
「や、あに…、も、う…」
可哀相な程、酷く掠れた声。
喉からはひゅーひゅーと音が聞こえる。
「ああ、つい声が聞きたくて無理させすぎちゃったな」
そう言って喉仏を精液で濡れた指でなぞる。
それだけで良守はごくりと喉を鳴らし、
また内にいる正守を締め付ける。
「まだまだ良守もいけそうだな」
「な、んで…こ、んな」
大量の精液を吐き出しながらもまだ起ち上がっている良守の熱を
荒々しく擦り上げる。
ぐちゃり、と粘着質な音がした。
「ひ、ぃっ…!」
「何でって、良守がいけないんだよ?」
俺以外の人間と仲良くするから。
「お前は俺だけのものだって、何度も言ったのに」
いけない子だ。
耳元でそう囁けば、その低く熱を帯びた声に
良守の体はぶるりと震え、きつく閉じた目から涙が伝う。
「もう一度わからせてやるよ」
汗と精液でぬるつく腰を掴み、ギリギリまで腰を引き、
一気に最奥まで突き上げた。
ドロドロに溶けた中が正守の肉棒を包み込み、滑りを良くする。
カリの部分で良守の一番感じる場所を引掻いてやれば、
掠れきった嬌声を上げ、背を反らせた。
何度も何度も、挿れては前立腺を突いて、引いて、今度は掻き混ぜるように
腰を動かす。
その度に中にたっぷりと注ぎ込んだ精液が溢れ、泡立ち、パチンと音を立て弾ける。
肉棒を伝って、その精液は正守の太腿まで塗らしていた。
「クク…凄いよ、良守。ぐちゃぐちゃだ」
良守の限界を訴えて震えている肉棒を扱き、
体液が溢れ出てくる先端を爪で引掻けば、
悲鳴のような喘ぎ声が上がる。
「あに、きっ、もう…!」
「ああ、イきそう?じゃあ俺も中に出してやるよ」
良守がふるふると首を振る。
汗と涙が飛び散った。
「中は、だめ…!」
「何で?」
もう中は正守が何度も何度も注ぎ込んだ精液でぐちゃぐちゃなのだ。
今更中に出すなとは、どういう意味なのか。
正守は不思議に思い、良守に顔を近付ける。
自然と正守の肉棒が深く刺さり、喉が鳴る。
「も、中、いっぱい、だ、から…!」
だから入らない、と。
そう訴える良守に正守は肩を震わせて笑う。
「あー、成る程ね」
笑いながら良守の下腹部に手を這わす。
心なしか膨らんでいるような気がした。
「俺のでお腹いっぱいになったってわけな」
まるで妊娠してるようだと思い、
正守は軽く力を込めて下腹部を押した。
「いっ、ああっ!」
「凄い締め付け」
また笑い、良守の汗でぬめる足を抱え直して、
口付ける。
舌を中にいれて、かき回す。
互いの唾液が混ざり合い、くちゅりと音をたて、
口の端から溢れ、零れた。
口を離せば互いを銀の糸が繋ぐ。
「俺はね、良守。可哀相な男なんだよ」
大きく腰をグラインドさせる。
ぐちゃりと大きな音が部屋に響いた。
「お前以外愛せないし、欲しいとも思わなければ、
抱きたいとも思わない」
中を擦り上げられ、奥を突かれる快感に
良守の足がぴんと伸び、強張る。
「お前が誰かに触れられるのも、話しているのも嫌なんだよ」
ぺろりと汗と涙まみれの顔を舐める。
それにまた、良守は涙を流した。
「なのにお前ときたら俺の気も知らず、他の奴と仲良くして。
可哀相だと思わないか?」
「ご、めんなさ…!」
掠れた声で、涙を流しながら謝る良守に、
正守は優しく微笑んで目尻に唇を落とした。
「今回だけ、許してやるよ」
その笑顔に、声色に、
安心した良守が力を抜いた瞬間。
今までと比べ物にならない衝撃と快楽が体を走った。
「あああぁぁっっ!」
繋がっている箇所から飛び散る精液。
正守の腰と良守の尻たぶがぶつかり、
パン、パン、と乾いた音が部屋中に響く。
良守の一番奥を正守の欲望が抉る。
「あ、あ、いっんぁっ」
「良守、お前は誰のもの?」
動きとは反対に、優しく良守に囁く。
良守の瞼が震えながら開き、濡れた黒い瞳が現れた。
「あ、にきの…!」
その答えに正守は恍惚の表情を浮かべた。
「そう、俺の。お前は俺のためだけに存在してればいいんだよ」
わかった?
そう聞けば、必死にこくこくと首を動かす。
唾液で濡れた赤い唇に一つキスを落として、
息が詰まりそうな程、強く抱き締める。
下からは卑猥な音が鳴り続けている。
「いい子だ」
思いっきり前立腺を、容赦なく突き上げた。
「ーーーーっっっぁ…!!」
ドクリ、ともう既に許容量を越えている中に注ぎ込まれる熱。
その熱さと、恐ろしい程の快楽に声にならない声を上げ、
もう透明になった精液を吐き出し、
良守は意識を手放した。
ぐったりと、力なく横たわっている体。
その体を正守は抱き締め、
再び律動を開始する。
「ん…っ」
「気を失ってても感じるんだな」
意識が無いにも関わらず、正守に突き上げられ、
良守の肉壁はきゅうと収縮し、正守を包み込む。
それがおかしくて、嬉しくて、正守は声を出して笑った。
動く度にどろどろと溢れ出てくる精液を指で掬い、
うっすらと開き、呼吸を繰り返す唇に、
紅を差すように塗っていく。
「俺の為だけに乱れて啼けばいいよ」
そう言って、正守はまた、己の欲望で良守を貫き、揺さぶって、
溶けきっている中に熱を注ぎ込んだ。
誰がために
「お前は俺の為だけに生きて、死ぬんだよ?」
わかったかい?良守。